コラム

最低血圧が高い人に多いタイプとその改善方法

上の血圧に比べて、下の血圧(最低血圧)が高いことが気になっていませんか。
なぜ下の方だけ高くなってしまうのでしょう。

一般に下の血圧(最低血圧)が高い時は、末梢血管(血管の末端の方の細い血管)の抵抗が高くなっている。
というように大血管より末梢血管の状態が影響していると西洋医学では捉えています。

それに対して漢方医学では、からだ全体から病いを捉えます。
下の血圧が高い時、漢方医学ではどのように考えているでしょう。

サイレントキラーとは

西洋医学では、高血圧のことを「サイレントキラー」(沈黙の殺し屋)と言っています。
少し怖い表現です。

このように言われるのは、高血圧には特有の自覚症状があまりなく、知らないうちに症状が進んでいることがあるからです。

頭が痛かったり、頭重感、めまい、物忘れ、胸痛、手足のしびれ、むくみなど様々な症状が出ていることはあります。

ですが、その症状は他の原因でも生じることがあり、その症状から高血圧と決めることができないのです。

そのように、西洋医学は、直接の原因でないと病名を付けることが難しいです。
高血圧のほとんどが原因のわからない本態性高血圧と言われるのはそのような理由からです。

ですから、頭痛やめまいなど症状をお薬だけで抑えることをしていると、高血圧の大事なサインを見落としてしまうことにもなりかねません。

それに対して、漢方医学は、それぞれの自覚症状を重視します。

病気を見る西洋医学に対して病人を見る東洋医学

西洋医学は病気という部分に目を向けます。
悪い部分を切り取ったり、がんをやっつけたりなど征服的な考え方をします。

検査が重視され、そこから病名が付けられます。
ですから検査で異常が見つからないと、病名を付けるのが難しいことがあります。

それに対して、漢方医学を含めた東洋医学は、全体を捉えます。
全体のバランスの崩れたところが部分にも現れると考えます。

そして、病を作ったのも自分ですからやっつけるではなく、調和を重んじます。
自覚症状は生命エネルギーのバランスの崩れたところと重要視します。

同じ高血圧でもそれぞれ体質が違う

同じ高血圧でも、がっちりしていて食欲旺盛な人もいれば、痩せていて食の細い人もいます。
また赤ら顔の人もいれば、青白かったり、顔色も様々です。

筋肉質の人もいれば、水太りのタイプの人もいます。
これら異なる体質に対して、西洋医学では同じ薬が出されることが多いです。

そして90kgぐらいの人にも、45kgくらいのやせた人にも、一回一錠と同じ錠数がでることがあります。

それに対して漢方医学では、高血圧に対してお薬が出るのではなく、その人の体質や症状に合わせた処方が選ばれます。

同じように、食事両方や運動両方をするときも、体質に合わせてプログラムを組むことが大切です。
運動もみんなで同じ運動をするというのでは、症状の改善には繋がりにくいです。

その人の症状に合わせて、最低血圧が高い人にはそれに合わせたプログラムが必要です。
また、食事内容も体質によって変えることによって、よりよい効果が期待できます。

最低血圧が高い人に多い血液ドロドロタイプ

血液が汚れてドロドロになっているため、血液循環が悪くなり、滞っているタイプの人です。
この状態を「瘀血」と言います。

このタイプの方は血圧だけではなく、コレステロールや中性脂肪、血糖値なども高くなっている場合があります。

瘀血の症状

  • 目の下のクマが目立つ
  • 舌や唇が暗く紫色になっている
  • 歯ぐきが暗紫色である
  • あざになり、残りやすい
  • 関節痛がある
  • 物忘れしやすい
  • 胸に刺すような痛みや締め付けるような痛みがある
  • 肌が黒くしわが増えた
  • 肩こりや頭痛、腰痛などがある
  • 手足がしびれる
  • 手足が冷えやすい

食事から気をつけましょう

血液がドロドロになっているので、まずは食べ物から気をつけましょう。
脂肪の多い肉やジャンクフード、味の濃いもの、甘いもの、冷たいもの摂り過ぎていませんか。

いわし、さんまなど青魚や、野菜もいろんな種類を積極的に摂りましょう。
玉ねぎ、ネギ、ニラ、ニンニク、ショウガも血液サラサラになります。

また、血液ドロドロタイプの人は腸も汚れている人が多いです。
海藻類、キノコ類など食物繊維の多い食材もお勧めです。

特に昆布、わかめ、ひじきなど海藻に含まれるアルギン酸はナトリウムの排出も助けます。
そして黒っぽい食材、黒ゴマ、黒キクラゲ、黒酢などは免疫力をアップします。

このタイプの方は過食になっていることが多いです。
よく噛んで腹八分目を目指しましょう。

血液がドロドロになっていると、毛細血管(最も細い血管)の血流が悪くなってしまいます。
毛細血管は髪の毛より細い血管です。

血液ドロドロだと栄養や酸素が行き渡りにくいだけではなく、二酸化炭素や老廃物を回収することもスムーズにできなくなってしまいます。

そうすると顔色が悪くなったり、舌や唇が暗紫色になってきたり、瘀血の様々な症状が生じやすくなってしまいます。

生活習慣を変えて、血液ドロドロが改善してくると、瘀血の状態も良くなり、その結果が血圧の値にも表れるということになります。

食生活の次に気をつけたい生活習慣

  • お酒の飲みすぎ、たばこの吸い過ぎに気を付ける
  • ストレスをためない
  • 適度な運動

血流を良くする為にブラブラ運動

末梢の血液循環を良くする為に、金魚運動や足首や手首をブラブラ振ってみましょう。
ちょっとカッコ悪いですが、貧乏ゆすりも意識して行うと血液循環が良くなります。

最後に

下の血圧(最小血圧)が高い時、血液ドロドロタイプになっていないか、まずは瘀血の症状をチェックします。
そして、食事で気になるところを一つずつ改善していきます。

根本原因が改善していくと、瘀血の症状も一つずつなくなっていくことでしょう。
高血圧は「サイレントキラー」とがっかりする必要はありません。

このように症状を見ながら、確認していくことができるからです。
生活習慣をもくもくと変えて、「サイレントウィナー」(静かな勝利者)となりましょう。

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